投稿日:2023.12.26 / 最終更新日:2023.12.28

本を爆売れさせたければタイトルにこだわれ!

売れる本と売れない本の明暗を分けるのは、しばしばそのタイトルです。タイトルは本の「顔」とも言える要素であり、カバーと同じくらい、もしかすると本のカバー以上に重要になる場合もあります。

 

良いタイトルは読者の好奇心を刺激し、内容に期待させ、その本を「読んでみたい」と思わせます。

 

しかし、初めて出版をする作家の多くは、タイトルの重要性を知りません。独自の感性で付けたタイトルは、読者に伝わらず手に取ってもらう機会を逃してしまいがちです。

 

この記事では、どのようにすれば魅力的なタイトルを作れるのか、具体的なテクニックを紹介します。

 

タイトル作成で陥りがちなミス

タイトル作成で陥りがちなミスは3点あります。

 

  1. タイトルが抽象的すぎる
  2. 難しい単語を並べ立てている
  3. 過去の偉人をベースにしてしまう

 

タイトルは入り口で興味を持ってもらうための要素の一つです。なので、見た人が「ん?」と疑問に思ってしまうようなものは基本的に良くありません。

 

アート性や独特な感性といったものも有名作家でもなければむしろ邪魔になってしまいます。

 

歴史あるコンテストなどではアート性が評価される場合もありますが、その塩梅が難しく、安易に挑戦すべきではありません。

 

見た読者に「おっ」と思ってもらえるようなタイトルの演出を考えてみましょう。

 

本のタイトルは一発勝負で決めてはならない

本のタイトルを直感や一発勝負で決めることはおすすめできません。

 

良いタイトルを作るには、最低でも50案以上、理想は100案以上の候補を考えて絞り込んでいくのが良いでしょう。

 

ぱっと出てくる5案や6案程度では、自身が最初から考えていた広がりの範囲内でのアイデアしか出てきません。しかし、売れるタイトルを作るにはその限界を突破することが必要なのです。

 

本のタイトルは単なる名前ではなく、読者の興味を惹き、作品の内容を伝える重要な要素です。印象深く魅力的なタイトルを探し出すためには、時間をかけてじっくり考え、さまざまな案を試し、多様な視点からアイデアを探る必要があります。

 

「そうはいっても、100案なんて出てこない」と思う方も少なくないでしょう。

ここからは、連想式にアイデアを広げていく方法をご紹介します。

 

マンダラチャート法を使ったアイデアの出し方

マンダラチャート法は、創造的なアイデアを出すための一人でできる簡単な手法です。

 

まず、紙の中央に9つのマス目を描きます。中央のマスには、本の主要なテーマを一言で書き込んでください。たとえば、テーマが「青春」なら「青春」と書きます。

 

次に、その中央のマスの周りにある8つのマス目に、そのテーマに関連するキーワードを記入してください。これにより、中央のテーマについて、異なる角度から考えることができるようになります。その関連ワードが的確か的確じゃないかが重要ではありません。言葉の枠を拡げていくことが大事です。

 

さらに、この9つのマス目の周りに新たな9つのマス目を8グループ作ります。それぞれの新しいグループの中央には、最初の9つのマス目のキーワードをそれぞれ配置し、関連する新たなキーワードを同様に8つ加えていってください。

 

このプロセスを繰り返すことで、元のテーマから派生する多くのアイデアやキーワードを見つけることができます。最終的には、多角的な視点からテーマを俯瞰することができ、創造的なタイトルを作るためのインスピレーションを得ることができるでしょう。

 

できるだけ、中心から遠くにあるワードを組み合わせてみて、創造を拡げていってください。

青春をキーワードにしてみたマンダラチャート

↑ 例えばこんな感じ

このマンダラチャートから【青春】の小説のタイトルをつけるのに、

《春夏冬》と《人生の一コマ》を使って…… 「秋がこなかった人生の一コマ」

《ドキドキ》と《はちみつレモン》を使って…… 「ドキドキしながら飲んだはちみつレモンは酸っぱさが身に染みる」

こういう風にして拡げてみてください。

 

良いタイトルを付けるテクニック7

タイトルの案となるアイデアやキーワードが出てきたところで、よりテクニカルなタイトルの付け方もご紹介していきましょう。

 

良いタイトルを付けるテクニック7選をここからご紹介していきます。

 

  1. 思いっきり長くする
  2. 逆に短くする
  3. クエスチョンで終わる
  4. 命令する
  5. 断定する
  6. 矛盾していそうなことを組み込む
  7. 数字を入れる

 

これらのテクニックを使ってタイトルを付けることによって、読者に「ん?」と疑問を持たせてしまうのではなく、「おっ」と興味を惹くことができるようになるでしょう。

 

1.思いっきり長くする

第一のテクニックは「思いっきり長くする」です。

 

有名な作品では

「もし高校野球のマネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

「ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた」

などが挙げられます。

 

長いタイトルは本の内容を理解してもらいやすく、また、タイトルの時点である程度内容が予測できるため、購入してから「思っていたのと違っていた」というミスマッチが起こりにくいというメリットがあります。

 

2.逆に短くする

第二のテクニックは「逆に短くする」です。

 

短いタイトルはインパクトが大きくなるメリットがあります。ただし、使い方を間違えると読者に何も伝わらず、興味を惹けないまま終わってしまう危険性もあります。

 

例として架空の本のタイトルを挙げるとするなら

「変態」

「お金がほしい」

「夜逃げ」

「何?」

など色々と考えられるでしょう。

 

3.クエスチョンで終わる

第三のテクニックは「クエスチョンで終わる」です。

 

タイトルが疑問形で終わっていると、おおよそ先が推測できても、無意識に「答え合わせ」をしたくなり購入につながりやすいです。

 

有名な作品で言うならば

「さおだけ屋はなぜつぶれないのか?」

ですね。

 

また、例として架空のタイトルを付けるなら

「これでいいって誰が言った?」

「私のことを愛してるっていってなかったけ?」

などが考えられます。

 

4.命令する

第四のテクニックは「命令する」です。

 

命令形のタイトルは実用書がメインになりますが、上から目線で「~なさい」と強気に出ると成功する場合があります。健康系やビジネス系の書籍にはこのパターンが多いです。

 

「40歳から食べ方を変えなさい」

「いますぐサラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」

などが良い例でしょう。

 

5.断定する

「命令する」に近いですが、言い切るというのもいい方法です。文芸作品の場合は、命令するよりも「断定する」の方が効果的かもしれません。

 

また架空のタイトルの例ですが

「今から君をさらいにいく」

「オレは総理大臣になる」

といった感じです。主人公の強い信念が伝わってきます。

 

6.矛盾していそうなことを組み込む

第六のテクニックは「矛盾していそうなことを組み込む」です。

 

一見矛盾していそうなことを組み込むことで、違和感を演出し、「一体どういうことなんだろう?」と興味を惹くことができます。

 

「見るだけで勝手に記憶力がよくなるドリル」

「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」

などが、「どういうことだろう?」を上手く使って売れた本として挙げられるでしょう。

 

このテクニックには命令・断定を織り交ぜることもできますので、さらに「どういうこと?」の効果を上げることができます。

 

たとえば

「ダイエットしたければビッグマックを食べ続けろ」

なんて言われたら、「どういうことだろう?」と思わず気になってしまいますよね。(ホントに食べ続けたらダメですよ)

 

7.数字を入れる

第七のテクニックは「数字を入れる」です。

 

ビジネス系の書籍では特によく使われる手法です。

 

「人は見た目が9割」

「伝え方が9割」

など、聞いたことがある人も多いでしょう。その本の中で何を伝えたいか、何が大切なのかがタイトルの時点で明白になるので、「おっ」という掴みも得やすいですし、読んでみてミスマッチも起こりにくいです。

 

文芸向きのテクニックではありませんが、実用書では使いやすいテクニックです。

 

まとめ:タイトルそのものがマーケティング

以上の7つのテクニックを使うと、いわゆる「掴み」を得やすいタイトルになります。このような観点を導くためにマンダラチャートを活用すると、インパクトのあるタイトルにたどり着きやすいです。

 

「おしゃれ」や「アーティスティック」な感性で付けたタイトルが格好良く見える感覚も否定はしませんが、タイトルはポエムではなく、マーケティング活動の一部です。

 

既に有名な作家さんであれば変化球のタイトルでも既存のファンが本を買ってくれますが、新人作家さんや初めて本を出すような方は、「マーケティング」という観点からタイトルを考えると良いでしょう。


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