投稿日:2022.08.08
【科研費】学術出版の助成金~種類や費用(科学研究費、公益財団、大学)
「研究書を出版社から発行したい」
「博士論文を一冊の書籍としてまとめたい」
そんな希望を持つ研究者の方は多くおられるのではないかと思います。
ですが、研究書や学術書、博士論文などを出版したいと望む研究者の方に、出版社の側から声がかかるというケースはあまり多くはありません。
大学教授や、テレビなどのメディアで頻繁に目にするような著名な研究者なら話は別ですが、世にあまり名前を知られていない研究者の書いた本は、どれだけ充実した価値のある成果発表であったとしても、一般の人にとっては理解が難しく、売れる本を出すことを目的とする商業出版のレールにはのりにくいのです。
そのため、学術書の出版の多くは、自費で行う「自費出版」となりますが、その費用は決して安いものではなく、100万円~500万円ほどかかるケースがほとんどです。そんな研究者の負担を少しでも軽くするために、「出版助成事業」というものが存在します。
こちらでは学術書籍の出版をお考えの研究者の方に向けて
- 助成事業の種類
- 在野の研究者でも受けられる出版助成金
- もらえる助成金の目安
についてご紹介させていただきます。
目次
【多種多様】代表的な助成事業 3種類
出版助成事業には、大きく分けて以下の3種が存在します。
1.日本学術振興会の科学研究費助成事業【科研費】
まず、日本学術振興会の行っている「科学研究費助成事業」が挙げられます。
国内の研究機関に所属する研究者に競争的資金を提供する事業で、日本における研究者にむけた助成金事業を代表するものです。研究所の自費出版をお考えの方ならば一度は「科研費」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
日本学術振興会は昭和7年(1932年)、昭和天皇の御下賜金(ごかしきん)をもとに設立された由緒ある機関です。平成15年(2003年)10月に独立行政法人となりました。
日本学術振興会の科学研究費助成事業は、国から出る助成金ということになります。
人文学、社会科学から自然科学まで、幅広い分野の研究者が対象となり、毎年公募が行われています。
2.公益財団などの助成金事業
日本学術振興会の「科研費」はたしかに日本を代表する助成金事業ですが、メインは大学などに所属する研究チームに向けた数億円規模の長期的な研究費用の支援にあります。もちろん、学術書の自費出版を望む個人に対する支援も行っているのですが、希望者が多く、競争率が高くなりがちです。
学術書の自費出版を行うなら、科研費とあわせて公益財団法人、一般財団法人などが行っている助成金事業の活用も視野に入れておく必要があるでしょう。
現在日本では、サントリー文化財団や日本生命財団(ニッセイ財団)などの法人をはじめとして、60以上の団体が研究者に向けた助成金事業を行っています。
人文学全般を対象とするものや、漠然と研究学生・若手研究者の助成を掲げているものなど、多ジャンルにわたって公募している助成金事業がある一方で、アイヌ社会の研究や思想家、文学者個人の研究などといった限定的なジャンルの研究者を対象とした助成金事業も存在しています。
例えば、出光美術館の文化助成事業の出版助成は日本美術に関する出版が対象、住総研の出版助成は住関連分野の研究が対象となっています。
博士論文の出版助成事業
また、これらの中には博士論文を対象とした助成金事業も含まれます。代表的なところだと、国立人文研究所の行っている「KUNILABO人文学学位論文出版助成」があげられます。
こちらの助成事業は日本語で書かれた人文学に関する博士学位論文を対象に公募が行われており、選ばれた論文の著者は出版助成が得られるだけでなく、国立人文研究所にて半年の有償講座依頼が受けられることになっています。そのため、キャリアの浅い研究者にとっては最適な助成事業の一つだと言えそうです。
3.大学が行っている助成金事業
主に私立の大学にて助成金事業が行われていることもあります。例をあげると、早稲田大学、上智大学、立教大学、法政大学、武蔵野美術大学…などです。
この種の助成金はほとんどの場合、大学に所属している研究者を対象としたもので、その他の研究者は受けることができません。ゆえに、現在大学に所属して研究に従事されている方は、まずは一度、大学が助成金事業を行っているかどうか確認してみることをおすすめします。
在野の研究者は出版助成金を受けられる?
大学や研究機関に所属していない、いわゆる「在野の研究者」と呼ばれる方は、出版助成金を受けることが可能なのでしょうか。
結論から言うと、受けられる助成金と受けられない助成金が存在します。
上に挙げた3種だと、日本学術振興会の科研費助成は研究機関に属する研究者を対象とするため候補から外れ、大学から出る助成金はその学校の研究者に向けられたものがほとんどなので候補から外れます。
公益財団などの助成金事業から選択する
研究機関に所属していない研究者の方は、公益財団などが行っている助成金事業の中から自身の研究内容に則したものを選択して応募することになります。ただし、中には他の研究者からの推薦を必須とするものもあるので、募集要項はしっかりと確認する必要があります。
学術賞へ応募する
研究の分野によっては学術賞への応募も視野に入れておいた方が良いでしょう。
学術賞は多くの場合、その年に既に発表された著作や論文を対象として選考が行われるため、出版のための助成金とはニュアンスが違ってきますが、受賞は大きなキャリアアップにつながります。
近著のある方は、自身の研究内容に則した学術賞への応募をぜひ、検討してみてください。
もらえる助成金の目安
次に、支給される助成金の目安についてふれさせていただきます。
助成事業のうち、研究書や専門書の出版を目的とする研究者に支給される助成金は50万円~150万円程度が目安です。
ほとんどの団体は、100万円あたりを上限として設定しているようです。また、単独研究なら100万円が上限、共同研究なら150万円が上限というように、研究に携わる研究者の数で助成金が増減するケースも見られます。
助成金の競争率
数多い研究者の中から出版助成金の支給対象として選ばれることは、ずいぶん狭き門をくぐらなければならないようにも思われます。ですが、学術書籍の出版にあたって助成金を申請しようという研究者の数がそもそもあまり多くないので、文学賞などの公募に比べると競争率はかなり低めです。
例えば、先に紹介した「KUNILABO人文学学位論文出版助成」は2021年度の応募総数をサイト内で公表しているのですが、その数は「40件超」とされています。賞によっては、1000件近くの応募の中から選ばれねばならない小説の公募などを考えれば、これはかなり現実的な数字といえるのではないでしょうか。
学術書の自費出版をお考えの方は、まずは科研費及び、公益財団・大学の行っている助成金事業の活用についてご一考されることをおすすめします。
科研費、助成金を利用して出版する場合の費用
では実際にらく楽自費出版工房で出版する場合の費用は、どれくらいかかるのでしょうか?
現在らく楽自費出版工房では、A4サイズの出版は料金表にて公開しておりませんが、カバーが付かない場合に限って製作可能です。
サイズ:A4サイズ 本文ページ数:260ページ 本文印刷:モノクロ 本文用紙:上質<70> 表紙印刷:カラー 表紙用紙:アートポスト<180> 流通:なし 装丁デザイン:らく楽自費出版工房にて作成 本文レイアウト:らく楽自費出版工房に作成 | 100冊:271,000円(1冊あたり2,710円) 200冊:304,000円(1冊あたり1,520円) 500冊:480,000円(1冊あたり960円) ※上記料金は税込価格です。 |
表紙に使う用紙に、レザックなどのファンシーペーパーもご用意できますので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせは⇒こちらから
その他の冊数やページ数などに関しての金額は⇒こちらからご確認ください
らくらく自費出版工房では科研費、助成金での出版をローコストでサポートします
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