投稿日:2022.02.06 / 最終更新日:2022.07.05
他人が作ったコンテンツ、どこまで使える?著作権のお話
出版する際、必ずついてまわる問題、それが「著作権」
その「著作権」、本を作る際に関わってくるパターンの代表的なことは2つ。一つは、原稿自身の著作権。そしてもう一つが原稿に載せる内容が他者が作成したコンテンツを引用する場合の著作権。大きく分けてこの2つです。
今回の小ネタでは、「他者が作成したコンテンツを引用する場合の著作権」について記載したいと思います。
目次
著作権とはどういうものかもう一度おさらい
以前、自身が著作者になる場合のお話を記載しました。
思想や発想、感情によって創作されるもので、自然発生するものと記載しました。
つまり、この世にある創作物すべてに著作者が存在するということです。(厳密にはちょっと違います。)
他人の権利を使うことには許可がいる
この世に溢れる他人が創作した著作物を何らかの形で利用する場合は許可がいります。
その場合、無料で使わせてもらえる場合もあれば、有料なら使わせてもらえる場合もあります。最近増えてきているのはサブスクリプション的に毎月一定の金額を負担してもらえば、決まった数を使えるようなサービスもあります。
いずれにしても、勝手に使うことはできないということです。
許可を得るには自らが著作権者にコンタクトをとって許可を得なければなりません。
著作権フリーは著作権がないということではない
よくインターネット上でイラストなどを使いたいなと思って検索しようとするとき、サジェストキーワードとして「著作権 フリー」などのキーワードが出てきます。
そこで出てきたウェブサイトを閲覧すると、利用規約の中に「無料でご利用いただけます。著作権放棄しておりません。」というような文言が記載されています。これはどういうことかというと、「タダで使っていいけど、これは私のものだから」ということです。
つまり、著作権フリーというのは「好きなように使ってもいいけど、私が著作者なので、私が提示するルールは守ってくださいね。」ということです。
著作権フリーは無料ということ?
著作権フリーというのは、すなわち無料ということですか?とイメージしそうですが、ほぼそう受け取っていただいて問題ないのですが、それは「使うのが無料」ということで、「デバイスの中に入れるのは有料」ということは多々あります。「月定額でダウンロードし放題」というようなフォトストックのウェブサイトがありますが、これはそういうことです。
新たな著作権の形「パブリックドメイン」と「クリエイティブ・コモンズ」の関係
先日の記事で、「著作権を放棄する方法はない」という記事を記載しましたが、厳密にはちょっと違いまして、権利保護期間を終えれば自動的に著作権はなくなります。ただ権利保護期間中においての著作権を放棄することを明確化する法的根拠がないのです。
著作権がない状態の著作物を「パブリックドメイン」といいます。しかし、このパブリックドメインは、権利の保護が終了していることが明確ならばいいのですが、これが著作権利があるかないかわからないことが多いのが実態です。
そのために、自ら意思表示をする方法として、「CCO」「PDM」と記載する方法と、ロゴマーク・ラベルの掲載する方法があります。これらのいずれかを掲載することで著作権を放棄していることを意思表示できます。
著作権放棄の考え方はこれでわかりましたが、著作者の考えはいろいろあって、「これはいいけど、これはイヤ」などという場合があります。「放棄はしたくないけど、変えるのはいいいよ」と著作者の著作物に対する想いや考えは様々なのです。
そこで生まれた新たな著作権の形が「クリエイティブ・コモンズ」。
コモンズ証と呼ばれる、マークを提示することで許可の範囲を確認できます。
・BY 表示
—著作者の名称を掲載してください。
・NC 非営利
—非営利の場合のみ使えます。
・ND 可変禁止
—いかなる場合においても、何一つ変えて使わないでください。
・SA 継承
—改変等したものも、そのま著作権は私が引き継ぐ。
平たくご説明をするとこういう感じになります。
これを単体、複数の組み合わせで掲載します。
詳しくはクリエイティブ・コモンズウェブサイトでご確認ください。
書く本に文献を引用するときは
他者が書いた本から一部分を引用する場合があります。その際には一定のルールというかマナーがあります。これは一般的に流通していない論文などを引用する場合はも適応される事柄です。
1・主従関係をはっきりさせる
自分が書くオリジナルコンテンツが「主」で、引用が「従」でなければならないということです。つまり、オリジナルがメインで、引用がフォロー…そういう関係です。
もっというと、引用だけをひたすら集めた一冊の本はダメだということです。
2・引用部分は、「ここは引用だ!」ってわからなければならない
引用は、オリジナル文章の中に溶け込ましすぎたらダメですよということです。はっきりと区別しなさいよってことです。
その方法は数多くの種類があります
・引用符を使う(“” ウィンドウズではSHIFT+2)
・カギカッコを使う
・引用部分を斜体にする
・ハイフンでくくる
などのように別のものですよとわかるようになっていないといけません。
3.引用の必要性をしめさないといけない
「この文献を引用しないと説明がつかない」ということを証明できなければなりません。なぜその文献だったのかの説明です。
例えば、本の批評をする本を書こうとすれば、その本の内容を引用しなければならないですよね。違う本の内容じゃだめですよね。
4・可変OKなの意思表示をしていないち著作物は改変・可変をしない
基本的に、引用は原本のままでないといけません。
5・出所をはっきりさせなければなりません
どの文献を引用したのかはっきりさせなければなりません。
その記載方法は
著者名、(発行年)、タイトル、発行所、引用部分のページ を記載してください。
※カッコ部分はカッコを入れること
複数の著者の文献を引用する場合は、著者の姓のアルファベット順に並べていくことになっています。
著作権は奥が深すぎる
著作権はあまりにも奥が深いです。一日でどうにか理解できるような簡単なものではありません。
お手元にある本などを参考にしながら、学んでいくのもいいかと思います。
おまけ
自身の著作物を発表・発売するときはちゃんと権利を守るように「copyright」の記載をしましょうね。
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