投稿日:2022.06.14 / 最終更新日:2022.09.02

企業出版とは?ブランディングに成功する秘訣やメリット、費用をご紹介

誰もがインターネットで手軽に情報を手に入れることができるようになった現代において、書籍へのニーズは減少傾向にあります。「出版不況」などという言葉もよく耳にするようになりました。

 

しかし、そんな中においても高い投資対効果の望める出版手法が存在します。今回紹介する「企業出版」はまさしくそういった出版スタイルの一つと言えます。

 

この記事では、自社のブランディング施策として大手企業だけでなく、中小企業やベンチャーなどの起業家さんも活用している「企業出版」について、効果や費用、成功のポイントなど詳しく解説します。

 

企業出版とは?

企業出版とは

 

企業出版とは、文字通り「企業や個人事業主が主体となって書籍を出版する」ことです。さらにつっこんで言うならば、「書籍を通して認知を広め、企業のことを正しく知ってもらうことで、読者を自社のファンとして獲得するブランディング方法」だと言えます。

 

本を出版すると聞くと「本をたくさん売って利益を得るビジネス」をイメージするのではないかと思います。ですが、企業出版の目的はあくまで書籍による「自社のブランディング」がメインです。

新聞やコマーシャル、WEB広告、SNSでの拡散といったマーケティング戦略の一環として、書籍を通した認知度アップや信頼獲得などを目的とした施策が企業出版の位置付けになります。

 

本そのものの売上による大きな利潤は見込みづらいかもしれませんが、「新規顧客の獲得」「長期雇用につながる優秀な人材の発掘」「社内における企業理念の共有」などといった企業が抱える様々な課題が、企業出版を行うことにより解決につながります。

 

商業出版との違い

商業出版との違い

 

「出版」と聞いて、多くの方は「商業出版」を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、私達が日頃目にするほとんどの本は商業出版によって世に出たものです。

 

一方、企業出版は商業出版と根本的に異なる特徴があります。まず、その違いについて確認したいと思います。

商業出版

商業出版とは、出版社が主体となって行う出版形式です。

 

商業出版の目的はズバリ「売れる本を出すこと」です。
そのために出版社が企画を立て、人気のある作家に依頼し、少なくとも数千部~の大部数が発行されて全国の書店で流通します。

 

商業出版の場合、出版の費用は出版社がもちます。さらに、出版社は投資した費用を回収するために様々な販促活動を積極的に行います。もちろん、本が売れれば印税が入るので、著者の利益にもなります。

 

企業出版

企業出版は著者となる企業や個人事業主が出版社に依頼して本が出版され、出版費用を払うのは企業側となります。この点が、商業出版との最大の違いで、自費出版の中の一つのジャンルとも言えます。

 

先にもふれた通り、企業出版の第一の目的は企業のブランディングであって、商業出版のように本をたくさん売ることではありません。企業出版はあくまでも企業が主体となって、認知や共感、信頼を高めるために本づくりを行います。

 

出版後に書籍をどのようにマーケティングに活用していくかが重要で、新聞やテレビ、WEBでの広告、イベントや講演会の開催、さまざまな販促物制作なども企業が主体となって実施していきます(出版社に依頼するケースもあります)。

 

企画から流通に至るまであらゆる面において自由度が高く、その特徴を指して企業出版のことを「カスタム出版」ということもあります。

 

違いを知ることでトラブル防止に役立つ

企業出版は、ほとんどの場合自費出版の延長として出版されますが、稀に商業出版として出版されるケースもあります。

そのようなケースがあるので、出版=商業出版という先入観にとらわれて、費用の負担に関するトラブルが起きることがあります。

企業出版と商業出版とで費用負担が法人側と出版社側のどちらになるかの認識が違っていると「自社で負担すると思わなかった」「出版社が払うんじゃないの?」といった問題が生じてしまいます。

こういったトラブルを防ぐためには、どういう風に進行していくかの確認をしっかり行い、出版社の担当者とよくコミュニケーションをとっておくが大切です。

本を出版するプロセスについても、自社と出版社のどちらが何を担当して、自社はどんなリソースが必要になるかを具体的に知っておくことで、スムーズな進行が可能になります。

 

らく楽自費出版工房が実行している出版までの流れは、こちらからご確認ください⇒【らくらく自費出版工房 出版までの流れ

 

企業出版の3つのメリット

インターネットやテレビ、ラジオといった様々な情報メディアが存在する現代において、あえて「書籍」を媒体としたPRを行う理由は何でしょうか?ブランディングのため投資するメリットはあるのでしょうか?

 

一言でいうならば、それは本の持つ圧倒的な情報量と熱い想いがすべてです。

企業出版だからこそ得られる代表的な3つのメリットについて解説させていただきます。

 

1.熱量の高いファンを獲得できる

テレビCMやWEB広告をはじめとして、顧客や消費者、利用者に向けて自社をPRする方法は数多くありますが、抽象的になりがちで、細かい部分を伝えることはできません。ですが、書籍は自社の存在を強く、正しく受け手(この場合は読者)に向けて発信しやすいメディアです。

なぜかというと、数百ページからなる圧倒的な情報量もさることながら、そもそも書籍は「欲しい」と思ったユーザーが本を買って、時間をかけてじっくり向き合うタイプの情報メディアです。

自社のサービスや商品、ブランド、ビジネスモデル、あるいは企業そのものに興味がなければユーザーが本を手に取る可能性が低いので、あらかじめ何らかの興味を持ってくれている最高の状態で、自社のコンテンツを読書体験の中でアピールできます。

しかも本は保存することができます。ずっと読者の元に残り続けるのです。本が手元を離れるまで永遠にプロモーションができるのです。

テレビCMやWEB広告、街頭ポスター等と比べて、深い理解と共感を促し、熱量の高まったファンへ向けて、以後のプロモーションが有効に展開できるでしょう。

こういった背景から、企業出版は、書籍を通じて自社への具体的な認知が広がり、他社との差別化ができることで、ファンとしてのつながりができた読者は顧客として、あるいは次代を担う人材として、企業にとって長期的な利益をもたらしやすいメディアなのです。

 

2.「著書がある企業」としての信頼を獲得できる

「自社の本を出版している企業」としての社会的信用の獲得も企業出版の大きなメリットです。

日本においては、年間に約70,000タイトルの書籍が発行されていますが、個人で本を出版する人はだいたい2,500人に1人ほどしかいないと言われています。

書籍の出版が一部の特別な才能を持つ人間のみ成し遂げられるハードルの高い行為だと考えられがちな日本において、企業が本を出すということはそれ自体がひとつのブランドであり、貴重な存在です。

その貴重さをバックボーンに、理念や哲学をもち、歴史や実績を積み重ねたプロフェッショナルであることを表現できます。

既存の顧客からの評価の向上はもちろんのこと、新たな販促アイテムとして「手に取って所有する」本の特性を活かして、営業や講演、イベントなどで新規顧客の創出、認知の機会を増やすことができます。

「本を出版している企業」に対する信頼感は顧客に安心を与え、商品やサービスのブランド価値を高め、スムーズな関係構築を手助けしてくれることでしょう。

 

3.社内の活性化促進、マーケティング教育に活用できる

理念の共有をはじめとする企業の内部活性化の観点から見ても書籍は有効です。

自社の歩んできた歴史や企業理念が確立されたストーリー、創業者の人生を社員に伝えることで、社への帰属意識を高め、離職率の低下や業務に対するモチベーションアップなどの効果を望むことができます。

新規採用においても、入社前に企業の成り立ちやビジョンを知ってもらうことで、ともに働くイメージがしやすく、他社との差別化にも役立ちます。

また、人材教育や社のさらなる発展のための布石としても、書籍は機能します。

例えば、企業出版の際によくメインテーマとして選ばれるものに「マーケティング」があります。

顧客の求めているものを理解し「売れるための仕組み」を作ることを総じてマーケティングと呼びますが、この行為には終わりがなく、移りゆく時代に合わせて常にアップデートを求められます。

そのアップデートに携わる担当者の間で今のシステム、ノウハウが共有され、正しく理解しているかいないかで、新しいアイデアや付加価値を生み出す環境、チームワークにも雲泥の差がでます。

そういった根幹の部分を何よりも正しく、効率的に社員に伝える方法が「書籍を使った教育」にほかならないのです。

 

企業出版が成功しやすい企業の3つの特徴

以上、述べてきた通り、企業出版が成功すれば社内外に十分すぎるブランディング効果が期待できます。

ですが、すべての企業に企業出版が向いているわけではありません。

すでに何度かふれた通り、企業出版の目的は自社のブランディングが主であり、たくさんの本を売ることではありません。限られた部数の本をいかに狙った層に届け、社の利益につなげていくかという点が企業出版を考える上で重要になります。

企業の個性や現状によって詳細は異なりますが、全体の傾向として「こういった企業は企業出版で高い投資対効果を得やすい」という傾向、特徴を紹介します。

 

1.単価の高いサービスを提供している企業

高単価、またはLTV(生涯顧客単価)の高い商品、サービスを扱っている企業は書籍の出版によって高い投資対効果を見込めます。

中でも医療福祉、法律や税金、不動産投資、冠婚葬祭といった単価が高いだけでなく、顧客が「絶対に失敗したくない」と考えるサービスを提供する業界において、企業出版は非常に効果的だと言えるでしょう。

こういったサービスを利用するにあたって、多くのユーザーは丹念な情報収集を行うため、意思決定までのタッチポイントとして情報量が多く、専門性と信頼性の高い「書籍」が候補に挙がりやすいのです。

 

2.新しい業界の第一人者としての地位を確立したい企業

世界には無数のビジネスが存在し、従来では考えつかなかったような新しい事業、ビジョンも様々な分野で生まれています。

一部の人々にしか知られていない商品やサービス、新しさゆえに十分な知名度や信頼が得られていないビジネスであるものの、確かな実績を持つ企業が書籍を出版することは、一社のみならず業界全体の認知度アップと活性化につながります。

例えば、日本では十年ほど前からYouTuberやブロガーなど、いわゆる「ノマドワーカー」と呼ばれる人たちによる著作が非常に多く見受けられるようになりました。

こういった人々の社会的信頼の向上の背景には、彼ら個人の能力やメディアへの露出もさることながら、著作によるブランディングの成功も一因として考えられるのです。

 

3.講演やセミナーでの顧客獲得、人材獲得を積極的に行っている企業

いかに良い内容の本が出来上がったとしても、読んでほしい読者層に届かなくては意味がありません。

企業出版のメインフィールドであるビジネス書の分野では「1万部売れればベストセラー」と言われており、漫画などの娯楽書に比べるとどうしても書籍自体の売上での利益の見込みは薄くなります。

だからこそ、限られた部数を狙ったターゲット層に届ける戦略が必要になります。

それを最も容易に行えるのが、自社で主催する講演、セミナーの来場者に向けた販売、配布です。

すでに自社に対して一定以上の熱量を持った人々に向けて、あるいは登壇者の話を聞いて自社への関心や興味が高まったタイミングで手に取ってもらえるため、これ以上効果的な訴求と体験価値は他にないと言っても過言ではありません。

とはいうものの、本を販売、配布したいがためにノウハウの構築されていないイベントを新たに開催することは、時間効率の悪さとリスクが伴います。すでにこういった活動を十分に経験している企業、SNSや広告など周知や集客の運用体制が整っている企業におすすめできる方法です。

 

企業出版の費用シミュレーション

自社のビジョンや事業、サービスや商品をブランディングしていく中で、企業出版の特徴やメリットが自社の現状やリソースに適しているなら、書籍の出版に向けて企画、検討を進めていきましょう。自費出版で出版することを前提としてお話を進めます。

予算については、企画や執筆、デザインや編集などさまざまな費用が必要となります。ここでは、「出版」に関わる費用についてシミュレーションしてみたいと思います。

主に次のような費用があり、出版社に依頼して制作を進めていきます。

  • 編集デザイン費(手書き原稿の場合、別途入力費)
  • 校正費
  • 印刷製本費
  • ISBNコード取得費
  • 書店流通手数料(またはAmazon流通手数料)
  • 物流費
  • 消費税
  • (保管費)

 

詳しくは⇒自費出版の費用|内訳や相場、交渉のコツでご紹介しています。

 

企業出版でよく選ばれている本の体裁だといくら?

創業ヒストリーや経営論など創業者や代表、社員が著者となるビジネス書は、A5サイズで220ページ、およそ1万文字程度がちょうどいいでしょう。

 

企業出版によく選ばれている本の体裁、条件で、らく楽自費出版工房での費用を見積もってみました。(2022年6月現在)

 

  • A5サイズ
  • 本文:220ページ
  • 表紙:モノクロ印刷
  • カバー:カラー印刷
  • 本文:モノクロ印刷
  • 流通:Amazon
  • 装丁デザイン:らく楽自費出版工房で作成
  • 本文レイアウト:Wordで支給。らく楽自費出版工房でレイアウト。

 

上記のような書籍を400冊の場合、324.500円(税込)、1冊あたり811.25になります。(キャンペーン中価格。7月以降は金額が変わります。)

コストパフォーマンスの高い書籍印刷を重視した、シンプルな料金体系で、大手出版社に比べても格安の価格帯です。

 

 

その他の冊数・サイズ・ページ数などはこちらからご確認ください⇒【らくらく自費出版工房の料金表(印刷製本、出版の費用について)】

 

企業出版の事例

 

  •  税理士法人様の「節税対策に関するノウハウ」
  •  サプリメントメーカー様の「最高のサプリメントができるまでのヒストリー」
  •  不動産会社様の「不動産を高く売却するためのノウハウ」
  •  占い師様の「よく当たる占い師の探し方」
  •  整体師様の「肩こり・腰痛によく効くストレッチのノウハウ」
  •  マーケティングコンサルタント様の「低予算でできるマーケティングのノウハウ」
  •  SNSコンサルタント様の「バズるTwitterの活用法」
  •  ラーメン店店主様の「究極の一杯にたどりつくまでのヒストリー」
  •  ファイナンシャルプランナー様の「失敗しない保険の選び方」
  •  整理アドバイザー様の「カンタンにできる収納テクニック」

などのように、企業出版を通じて、持っているノウハウを惜しみなく公開することで、集客効果に繋げやすくなりますし、もしかしたら、メディアの取材やテレビ番組に呼ばれるチャンスもできるかもしれません。

企業出版を企業繁栄のためのツールとして投資する価値は十分にあるのかと思います。

 

まとめ

企業出版は自社の状況によっては認知や集客、差別化など非常に高い効果を見込めるブランディング施策です。

 

費用は決して安くはありませんが、しっかりと目的をすえて実施できれば、例え少部数の出版であっても十分な効果を見込むことができます。特に、上に挙げた3つの特徴のうち、どれか一つでも条件を満たしている企業であれば高い確率で費用対効果を望むことが可能です。

 

インターネットで多くの情報が簡単に手に入る時代だからこそ、企業出版を通して会社のブランディングを図り、「ワンランク上の存在」への布石としてみませんか?

 

 

らくらく自費出版工房では、企業出版をはじめ自費出版、商業出版といった法人様、個人様の出版をレイアウトや装丁、印刷製本、流通までリーズナブルな価格帯で提供しております。ぜひお気軽にご相談ください。

 

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