内容説明
人生100年時代の暮らし方をデザインする
早々に現役引退した著者は、雑木と野草におおわれた1,500坪の湿地を偶然に手に入れる。まちなか暮らししか知らず、自然の中で静かに暮らそうなどと思ってもいなかったのに、何をどう間違えたのか著者はその土地に小さな家を建てて暮らすことに。
その偶然任せの行動が筆者にもたらした未知の体験と心の変化を沢山のスケッチとともに綴ったこの本には人生100年時代の新たな扉をひらくヒントが。
著者が手に入れた「竹山」というところの荒地。そこでの5年間の暮らしで得たものは。
いままで見たことのなかった植物や動物たちとの出会いであり、それらを一年通して観察することで気づいた「生きることに一生懸命な自然の姿」。
素人なりに地質から歴史まで調べることで知った「自然の植生の妙」。暮らしのスケッチをまじえてそれらに接すると、読者は思わず「竹山ワールド」に引き込まれることになる。
著者が体験したのはそれだけではない。
太い丸太をチェーンソーで切り、斧を使って薪にして家の暖にする。スコップ1本で沢水を引いて、川や池を掘る。
自然に生えている植物を採って自分で料理をする。切った木で器を彫り日々の食卓を彩ったり、親しい人に手渡して感謝の気持ちを伝えるなどなど。著者がそれまでまったく想像もしなかった体験が次から次へと待っていた。
人生100年時代。ようやくハタチになって先を見たらあと80年!なんとか無事定年まで勤め上げたと思ったらまだ人生の3分の2。そんなことを考えたら人生100年なんてうんざりする時間としか思えなくなるかもしれない。
でも…もしその時間を、今までとは違った体験や新しい自分を発見するチャンスをもらったと考えたら…。著者の「竹山」でのチャレンジは、そんな人生100年時代だからこその魅力ある暮らしを自らデザインしたものなのだ。
<目次>
ことのはじまり/作業小屋からずっと/最初の竹山の日々/バトンタッチ/三度目の危機を超えて/竹山というところ/この土地について/この土地の植物たち/竹山を食べる/わたしたちの自給自足/外にかまどをつくる/薪をつくる/木熊をつむ/撹乱/川と池を掘る/水辺の世界/地図をつくる/一年通観/千客万来/鳥たちの気持ち/雪と暮らす/春はいつから/春から夏そして秋/雑草という草/ワインのブドウを植えてみる/あるものでつくる楽しみ/炊事当番/老いを生きる/酒と温泉の日々/竹山へのお返し/竹山に暮らして/おわりに、そして