内容説明
《第2回らくむぎ出版コンテスト優秀賞受賞作》
テーマは「成田闘争」
■作品について
新型コロナもやっと出口が見え、今後さらなる航空需要の高まりが予想される
元新聞記者が現実の内陸空港の抱える問題を深くえぐり出す社会派ミステリー
現在の成田空港をモチーフとした作品で、初版本の帯には、実際に「成田闘争」を経験した元千葉県警警視正、唐鎌茂夫氏より推薦文をいただいております。
■あらすじ
千秋国際空港で大型旅客機が爆破された。県警捜査一課の内藤は初動捜査に当たるが、捜査本部は手口から国際的なテロと断定し、捜査の本筋から外されてしまう。内藤に割り当てられたのは、空港内に無数にある防犯カメラの解析。だが、空港内のありとあらゆる風景を記録していたはずのカメラに、犯行の様子を記録したものは一つもなかった。本当に国際テロ組織による犯行なのか。四十年前の開港前夜、空港反対派による過激な反対運動があったが、今はもう、その火は完全に消えている。関連はないのか。もしも反対派なら、今さら何に反対しようというのか。内藤が頭を悩ませる中、厳戒の警備態勢をあざ笑うかのように二機目が爆破されるー
■著者コメント
成田空港は本年5月20日に開港から45年を迎えますが、国策により建設された内陸国際空港であるにも関わらず、現在でも航空機による騒音や航空機からの落下物の問題は後を絶ちません。この問題は現在進行形の問題です。外国人観光客の制限解除も図られ、さらには第三滑走路も新設、ターミナルの統一も予定されています。ここで今一度、内陸空港の現状というものを広く皆さまに知ってもらいたい、との想いから、より一般にも親しみやすいミステリー作品に置き換えて書きあげました。